2007/07/20

【会見詳報】新潟県中越沖地震についての気象庁記者会見

2007年7月20日金曜日 午前10時半から 気象庁会見室

ポイント(編集部):余震は能登半島地震に比べても活発ではなく、震度5強や6弱程度の余震がおこる可能性は小さくなった。また、ところによっては震度5強の余震の恐れはあり、今夜から明日にかけての降雨などでの土砂災害などに十分に注意を。

 宇平幸一 気象庁地震火山部地震津波監視課長

 余震は本日10時現在、震度6弱が1回、震度4が4回など、震度1以上の余震を109回観測している。余震活動は徐々に減衰しており、震度5強、ところによっては震度6弱の揺れとなる余震が発生する可能性は小さくなったとみられるが、今後3日間程度は震度5弱、ところによっては震度5強となる余震の恐れがある。
 降雨や余震活動で、土砂災害などが発生する恐れがある。また、壊れかけた建物などの倒壊の恐れがある。復旧作業に携わる方は十分注意をして欲しい。
 余震の確率は、今日から3日間M5.5以上の地震が発生する確率が10%未満、M5.0以上が10%、このまま推移すれば23日から3日間は、いずれも10%未満になる。3日間の発生確率が10%未満ということは、1カ月に1回発生するより小さいということ。23日午前11時に次の情報を出すが、そのまま推移すれば、それ以降は余震の情報は出さない。
 今回の余震は、最初から新潟県中越地震や鳥取地震に比べると少なく、福岡県西方沖と近いような推移をしている。M5以上の大きめの余震も1日目にあっただけ。余震の数も減り、間隔もあいてきているのが分かる。

 現地調査の概要を報告する。震度計の状況や震度計周辺の状況などを調べているが、今回は6強を観測した場所を紹介する。
 柏崎市中央町の観測点は、震度計は異常なかった。周辺では木造家屋の全壊などが出ている。
 柏崎市西山町の観測点は、センサーを設置している台が1度以内と少し傾いている。付近は液状化や家屋の倒壊が見られている。傾きは観測には支障はない。
 刈羽村の観測点は、震度計周辺の地盤に陥没や亀裂があり、設置台がわずかに傾斜しているが、観測には支障がない。周辺には木造家屋の倒壊や破損が見られた。
 長岡市小国町の観測点は、設置状況に異常はない。周辺で木造家屋の一部破損が見られた。
 長野県飯綱町の観測点は、設置状況に異常はなく、周辺では飯綱町三水庁舎の建物が一部損壊していた。

 柏崎市役所内にある政府の現地連絡室に、気象庁も職員を派遣し気象情報の解説をする。まとまった雨が降ることもあり、職員を派遣した。期限は決めていない。対策室がある限りは交代で駐在させる考え。

−余震確率が10%未満になるのは
 今の状況が続けばという大前提だが、23日に10%未満になる。能登半島地震では、現在の段階でM6.0以上の余震確率が10%未満、M5.0未満が40%だったので、今回は余震活動の減り方が大きい。10%未満より少ない確率は出していない。ただ、可能性がゼロになったわけではなく、地震が起こる確率は通常よりは非常に高い。ふだんの状態で、M5.0以上の地震が周辺の10キロ以内に発生する確率は0.03%なので、10%未満だから低いとは言えない。

−17日と比べると表現はどう変わったか
 30%と50%だったのが下がった。震度5強、ところによって6弱の揺れが発生する可能性は小さくなっている。

−能登のときは「震度5強以上の余震が発生する可能性は小さくなっている」と表現した段階で、「建物等の倒壊の恐れがある」という表現がなくなったが、今回残している理由はなぜか
 余震が減ってきても、天候の影響もあるし、地盤災害などの影響の恐れもあるため、表現は残した。

−このままでは月曜日に10%未満になるが
 投げ込みで出させていただくことになるだろう。

−なぜ余震が少ないのか 中越地震の震源と近いが
 余震活動の活発度は、過去の経験がポイントだが、04年の中越地震のように顕著に活発なものもあるし、福岡県西方沖のように活発ではない地震もある。最初から活発でない地震は、基本的には活発度は変わらない。中越地震の余震回数はM4以上が3日の経過段階で本震を含めて71回。今回は11回だ。

−40キロと近いところで起きているが、なぜ違うのか
 本震でかなりの歪(ゆが)みが解消されたのだろう。地下構造の探査をしなければ分からないが、イメージとして持っているだけ。いままでの経緯の中で、余震のエネルギーが比較的小さいと言うことは、本震でエネルギーが解放されたのだろう。言い換えたに過ぎないとも言えるが。(了)